
総務経理を10年間やっていました。
経験を踏まえて、傷病手当金について解説します。
みなさん、こんにちは。ヒヨッコ投資家 こかです。
今回のブログは、傷病手当金の手続きについてお話します。
10年間、総務経理を担当していました。傷病手当金の申請も行なっていました。
結論からお伝えしますと、休職するようなことになった場合、まずは会社へ報告・相談してください。
その上で、傷病手当金の申請について指示を受けてください。
ネットの情報など鵜呑みにせず、ご自身の健康保険組合の案内をよく読み、手続きしてください。
では、わたしの経験も踏まえて、傷病手当金の制度や手続きについてお話しします。
本日もぜひ最後までご覧くださいませ。
傷病手当金とは傷病で働けない人に支給される手当

傷病手当金とは、病気やケガのため働けず、給与が支給されない人に支給される手当のことです。
支給の条件4つ
傷病手当金には支給条件が4つあり、すべてに該当するときに支給されます。
- 傷病手当金の支給条件
- 病気やケガのために療養している
- 療養のため、働くことができない
- 給与などの支給を受けていない
- 連続して3日以上休んでいる
病気やケガのための療養は、入院のみでなく、自宅療養も含みます。
また、療養期間中に会社を休んでいても、給与をもらっていたり、3日未満の休みだったりすると、支給対象外となります。

給与をもらってる期間は傷病手当金の対象外なので、有給を使用しているときには傷病手当金の申請はできません。
「3日以上の休み」は土日祝なども含む
連続して3日以上休んだ場合、4日目から傷病手当金が申請されます。

3日以上の休みって、土日も含むん?
3日連続の休みには、土日祝や有給も含まれます。
最初の3日を連続して休むことを「待機」と言います。
待機が完成しないと、傷病手当金は支給されません。

3日間の連続した休みが確認できることが大切です。
労災は支給対象外
病気やケガのための療養には、労災対象の傷病は含まれません。
業務中のケガの療養で会社を休む場合、労災適用となり、健康保険の対象外だからです。
支給される金額
傷病手当金の1日あたりの支給金額は、以下の式で求めた金額です。
直近12か月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30 × 2/3相当額
標準報酬月額とは、社会保険料の基礎となる金額のことで、月々の給与や通勤費などを基に計算されます。(説明が長くなるため、ここでは割愛します)
「月給の6割程度」とざっくり考えてもよいですが、イコールではないことにご注意ください。
支給される期間
傷病手当金は、待機期間完了後、支給開始が決定してから、1年6か月間支給されます。

1年6か月間に、復職したけれど、再発した場合は?
復職後、同一疾病や関連疾病で再び休職
一度、復職したけれど、同一疾病や関連疾病で再度、休職する場合、1年6か月の間ならば傷病手当金が支給されますが、1年6か月を過ぎると傷病手当金が支給されません。
10年間、人事労務をやっていて、傷病手当金の支給なしと判断されたパターンがあったため、具体的にお話しします。
同じ傷病でなく、関連傷病でもNGと判断されたパターンでした。
- 傷病手当金が支給されなかったケース
途中入社したAさんが、傷病Bで休職することとなり、傷病手当金の申請をしました。
申請したものの、結果は支給なし。
入社前に、Aさんは傷病B’で傷病手当金を1年6か月間受給していたため、「支給なし」と判断されました。
最終決定は健康保険組合が行います。
詳細は、会社の担当者もしくは健康保険組合に相談してください。
振り込まれる時期
傷病手当金の振り込まれる時期は、申請後1か月以内が目安です。
健康保険組合内での処理や締めの都合があり、一概には言えませんが、大体1か月くらいで振り込まれます。
ただ、初回申請のときはやや時間がかかるように感じます。
傷病手当金の申請をするには

傷病手当金の申請フローをお伝えします。
- 傷病手当金の申請方法
- 長期療養の旨を会社へ報告
- 傷病手当金支給申請書を記入
- 傷病手当金支給申請書を提出
長期療養の旨を会社へ報告
長期間、休職することが決まったら、まずは会社へ報告・相談しましょう。
有給を使うか、欠勤にするか
長期間の休職に伴い、「有給を使うか。有給を残しておき、欠勤にする(≒傷病手当金の申請をする)か」を相談します。
有給が残っていて、使えそうならば、有給から消化していく方がベターです。
やむをえず、欠勤とする場合は傷病手当金の申請を相談しましょう。
傷病手当金支給申請書を記入する
傷病手当金は申請して初めて、支給されるものです。

自動的に支給されるものじゃないんやな。
傷病手当金支給申請書を書き、提出しましょう。
申請書は3つのパートで成り立っています。
- 本人が記入するパート
- 医師が記入するパート
- 会社が記入するパート
傷病手当金支給申請書は、加入中の健康保険組合からダウンロードできることがほとんどです。
本人が記入する
氏名や住所、疾病情報、振込先など、本人の情報を書きます。
捺印が必要な可能性もあるため、ハンコも準備しておきましょう。
医師が記入する
疾病の状況や経過、治療内容など、医師に記入を依頼する箇所があります。
病院に申請書を持っていき、記入を依頼しましょう。

病院で書いてもらうとき、費用が発生する可能性があります。
会社が記入する
就労の事実を会社が証明する欄があります。
勤怠状況や給与支給状況が記入されます。
傷病手当金支給申請書を提出
申請書が記入されたら、健康保険組合へ提出します。
会社経由で提出されるのではないかと思いますが、会社によりけりかもしれません。
基本的に、毎月、申請書の記入と提出を行います。
2〜3か月分まとめて申請することもできますが、傷病手当金の性格上、毎月申請される方がほとんどです。
傷病手当金はお得な制度ではありません

傷病手当金は、傷病のために働けない人へ支給される手当です。
「1年半も働かずに、手当がもらえてお得!」という意見も見かけますが、果たしてお得なのでしょうか。
わたしが手続きをした方で、傷病手当金がお得だと仰るような方はひとりもいませんでした。
わたしは、健やかに暮らすことが一番だと思います。健康な体が最強の資産ではないでしょうか。
傷病手当金の申請をされるような方がいらっしゃいませんよう、末筆ではございますが、こかブログの読者さまの健康をお祈りしております。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
最高のフィナーレを。
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